「南海トラフ地震は近いうちに起きるの?」
「自分が住んでいる地域は大丈夫?」
ニュースなどで「南海トラフ地震」という言葉を聞くたびに、不安になる方も多いのではないでしょうか。
南海トラフ沿いでは、過去にも大規模な地震が繰り返し発生してきました。
しかし、大切なのは「いつ起きるのだろう」と必要以上に怖がることではありません。
どのような地震なのか、どのような被害が想定されているのかを正しく知り、自分や家族に必要な備えを一つずつ進めることです。

こんにちは!防災アドバイザーの熱血じいさんです
この記事では、南海トラフ地震について、
・どのような地震なのか
・発生する可能性はどのくらいなのか
・どのような被害が想定されているのか
・どの地域で注意が必要なのか
・発生したとき、どう行動すればよいのか
・今から何を準備すればよいのか
防災初心者の方にもできるだけわかりやすく解説します。
目次
南海トラフ地震とは?
南海トラフとは、駿河湾から日向灘沖にかけて延びる海底の地形です。
この周辺では、海側のプレートが陸側のプレートの下へ沈み込んでいます。
プレートの境界にひずみが蓄積し、それが一気に解放されることで大規模な地震が発生します。
南海トラフ沿いでは、過去におおむね100~150年間隔で大規模な地震が繰り返し発生してきました。
前回は1944年の昭和東南海地震、1946年の昭和南海地震が発生しています。
そのため、南海トラフ地震は「いつか起きるかもしれない地震」というより、長期的な視点で備え続ける必要がある地震の一つです。

南海トラフ地震を理解するときに知っておきたいのが、震源域全体が必ず一度に動くとは限らないことです。
過去には、南海トラフの一部で大規模地震が発生した後、時間をおいて別の領域で大規模地震が発生した例があります。
反対に、広い範囲がほぼ同時に活動する可能性も考えられています。
そのため、一度大きな地震が起きたからといって、「これでもう安心」と考えることはできません。
南海トラフ地震はいつ起きる?
南海トラフ地震について検索すると、
「○年以内に起きる」
「もうすぐ発生する」
といった情報を目にすることがあります。
ここで注意したいのが、「発生確率」と「地震予知」は別のものだということです。
地震調査研究推進本部は、南海トラフで発生するM8~9クラスの地震について長期評価を行っています。
2025年9月に評価方法の一部が改訂され、現在は計算方法によって、「60~90%程度以上」または「20~50%」という30年以内の発生確率が示されています。
防災対策を呼びかける際には、高い方の「60~90%程度以上」を強調することが望ましいとされています。
ただし、この数字は「30年後に起きる」という意味ではありません。
明日起きる可能性もあれば、しばらく発生しない可能性もあります。
確率の数字だけに一喜一憂するのではなく、「発生する可能性が高い地震として、普段から備えておく」と考えることが大切です。
現在の科学では、南海トラフ地震について、「○月○日の○時ごろ」といった形で、発生日時・場所・規模を高い精度で予測することはできません。
SNSなどで具体的な日時を示した地震予言を見ても、慌てて拡散するのではなく、気象庁や内閣府など公的機関の情報を確認しましょう。
南海トラフ巨大地震で想定される被害
南海トラフ巨大地震が発生した場合、被害は非常に広い地域に及ぶと想定されています。
内閣府は2025年3月、最新のデータなどを反映した新たな被害想定を公表しました。
最大クラスの地震が厳しい条件で発生した場合、死者数は最大で約29万8千人と想定されています。
ただし、この数字は「必ずこれだけの犠牲者が出る」という予測ではありません。
地震が発生する季節や時間帯、津波からの避難行動、建物の耐震化などによって被害は大きく変わります。
被害想定は怖がるための数字ではなく、「どの対策を進めれば被害を減らせるのか」を考えるためのものです。

南海トラフ巨大地震では、静岡県から宮崎県にかけての一部地域で最大震度7の非常に強い揺れが想定されています。
強い揺れでは、耐震性の低い建物の倒壊だけでなく、家具の転倒、食器やガラスの飛散などによる負傷にも注意が必要です。
特に寝室では、
「寝ている場所に家具が倒れてこないか」
「出口を家具がふさがないか」
を一度確認してみてください。

南海トラフ巨大地震で特に注意しなければならないのが津波です。
太平洋沿岸の広い範囲で大きな津波が想定されています。
津波から命を守るために重要なのは、海岸付近で強い揺れや長く続く揺れを感じたとき、津波警報を待つことだけに頼らず、安全な高い場所へ避難することです。
海の近くに住んでいる方は、普段から自治体のハザードマップで、
・津波浸水想定区域
・避難場所
・避難経路
・自宅から高い場所までの所要時間
を確認しておきましょう。
巨大地震の被害は、建物の倒壊や津波だけではありません。
広範囲で停電や断水が発生し、下水道や通信、交通などにも大きな影響が出る可能性があります。
自宅そのものに大きな被害がなくても、「水が出ない」、「トイレが使えない」、「スマートフォンを充電できない」、「食料を買いに行けない」という生活上の問題が起こる可能性があります。
だからこそ、地震対策は「揺れに耐える」だけではなく、その後の生活まで考えて準備することが重要です。
南海トラフ地震で特に注意したい地域
南海トラフ地震というと、東海・近畿・四国だけの地震だと思っている方もいるかもしれません。
しかし、想定される影響は非常に広範囲です。
特に太平洋沿岸では、強い揺れに加えて津波への警戒が重要になります。
一方、海から離れた地域であっても安心とは限りません。
強い揺れ、長周期地震動、停電、物流の停滞など、地域によってさまざまな影響が考えられます。
「自分の県が危険かどうか」だけで判断するのではなく、自宅や職場の具体的な災害リスクを確認することが大切です。
南海トラフ地震が起きたらどう行動する?
どれだけ防災用品をそろえていても、地震が起きた瞬間の行動を間違えると命を守れない場合があります。
地震が起きたら、まず自分の身を守ることを優先します。
丈夫な机の下など安全な場所に入り、頭を守りましょう。
慌てて屋外へ飛び出すと、瓦やガラス、看板などが落下してくる危険があります。
揺れが収まってから周囲の状況を確認し、安全に行動してください。
海岸付近にいて強い揺れや長く続く揺れを感じた場合は、津波を想定して行動します。
荷物を取りに戻ったり、家族を探し回ったりすることで避難が遅れることがあります。
家族とは普段から、「地震が起きたら、それぞれがまず避難する」、「避難したあと、どこで合流するか」を話し合っておくことも大切です。
「南海トラフ地震臨時情報」が出たらどうする?
南海トラフ地震には、「南海トラフ地震臨時情報」という仕組みがあります。
ここで特に注意したいのは、「臨時情報=南海トラフ地震が必ず起きる」ではないことです。
南海トラフ地震臨時情報は、大規模地震が発生する可能性が平常時と比べて相対的に高まったことなどを知らせる情報です。
地震の発生日時を予知する情報ではありません。

「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」が発表された場合、日頃の備えを再確認するとともに、地域によっては事前避難が必要になります。
特に、地震が発生してからでは津波避難が間に合わない可能性がある地域の住民には、1週間の事前避難が求められる場合があります。
自分が事前避難の対象になるかどうかは、自治体の情報を確認してください。
「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」の場合も、普段の地震への備えを再確認します。
すぐ避難できるように準備したり、非常持出品を確認したり、家族との連絡方法を再確認したりしておきましょう。
そして、臨時情報が発表されていないときでも南海トラフ地震が突然発生する可能性があります。
「臨時情報が出ていないから大丈夫」と考えないことも重要です。
南海トラフ地震に今からできる備え

ここまで読んで、
「結局、何から準備すればいいの?」
と思った方もいるでしょう。
一度に全部そろえる必要はありません。
まずは、次のことから始めてみてください。
寝室やリビングを見渡して、大きな家具が倒れてこないか確認します。
特に寝ている場所の近くにあるタンスや本棚などは優先的に対策しましょう。
家具固定器具や耐震グッズを利用する方法もあります。
大規模災害では物流が止まり、スーパーやコンビニで食料を購入できなくなる可能性があります。
普段食べている食品を少し多めに買い、使った分を買い足す「ローリングストック」なら、無理なく備蓄を続けやすくなります。
断水や排水設備の損傷によって、自宅のトイレが使えなくなる可能性があります。
水や食料と同じくらい、非常用トイレも重要な備蓄品です。
懐中電灯やランタンだけでなく、スマートフォンの電源を確保する準備もしておきましょう。
スマートフォンは家族との連絡、災害情報の確認、避難場所の確認などに役立ちます。
モバイルバッテリーは定期的に充電状態を確認することも大切です。
防災用品を購入するだけが地震対策ではありません。
家族が学校や職場など別々の場所にいるときに地震が起こることも考えられます。
・どこへ避難するのか
・どのように安否を確認するのか
・連絡が取れない場合はどうするのか
これだけでも事前に決めておきましょう。

日本で懸念される大地震は南海トラフだけではない
南海トラフ地震は非常に重要な地震ですが、日本で警戒すべき大地震はこれだけではありません。
首都直下地震や日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震、各地域の活断層による地震なども考える必要があります。
日本で今後懸念されている大地震について全体像を知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
【「日本で今後発生が懸念される大地震とは?南海トラフ・首都直下・日本海溝をわかりやすく解説」】
防災アドバイザーとして伝えたいこと
南海トラフ地震について調べれば調べるほど、大きな被害想定の数字が目に入り、不安になるかもしれません。
しかし、防災で大切なのは、不安を大きくすることではありません。
「自分には何ができるのか」を考えて、一つずつ行動することです。
家具を一つ固定する。
水を少し多めに買っておく。
非常用トイレを準備する。
家族と避難場所を確認する。
一つひとつは小さなことかもしれません。
でも、その小さな備えの積み重ねが、大きな地震が起きたときに自分や家族を守る力になります。
まとめ|南海トラフ地震を必要以上に恐れず、今できる備えを

いかがでしたか?
今回は、「南海トラフ地震とは?想定される被害・危険地域・今からできる備えをわかりやすく解説」というテーマで、南海トラフ地震について解説しました。
南海トラフ地震は、今後も長期的に備えていかなければならない大規模地震です。
しかし、「いつ起きるのか」を考え続けても、正確な発生日を知ることはできません。
私たちにできるのは、正しい情報を知り、自分が住んでいる地域の危険を確認し、できるところから備えることです。
まず今日、自宅を見渡してみてください。
倒れてきそうな家具はありませんか?
水や食料はありますか?
非常用トイレはありますか?
スマートフォンを充電する方法はありますか?
そして、家族で避難場所を確認していますか?
全部を今日準備する必要はありません。
まず一つ。
できることから始めてみてください。
正しく知り、正しく恐れ、そして備える。
その積み重ねが、大きな地震が起きたときに自分と家族を守る力になります。
大切な命を守るために!

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