防災アドバイザーの熱血じいさんです。
今回は、富士山噴火について考えてみたいと思います。
霊峰富士、本当に噴火するのでしょうか?
もし、噴火するならば、予測することはできるのでしょうか?
その時は、どのような影響があるのでしょうか?
あなたと一緒に考えていきましょう。
目次
富士山噴火の歴史について
まずは、富士山噴火の歴史について見ていきたいと思います。
富士山は、約10万年前に最初の噴火が起こり、およそ1万年前に現在の形になったと言われています。
1万年前から現在に至るまで、富士山は幾度か噴火をしています。
ここで、有史以降、古典・文献等に明記されている富士山噴火をピックアップすると、数十回の噴火が確認されています。(下表を参照してください。)
西暦 (噴火した年代) | 内容 (富士山噴火史) |
---|---|
781年 | 「続日本記」に明記 |
800~801年 | 延暦大噴火 「日本後記」に明記 |
864年 | 貞観噴火 「三代実録」に明記 |
937年 | 「日本通記」等に明記 |
999年 | 「本朝世紀」に明記 |
1033年 | 「日本紀略」に明記 |
1083年 | 「扶桑略記」に明記 |
1511年 | 「妙法寺旧記」に明記 |
1560年 | 「日本災異志」に明記 |
1700年 | 「日本災異志」に明記 |
1707年 | 宝永噴火 |
その中には、貞観噴火、宝永噴火という、富士山噴火の二大噴火があります。
貞観噴火とは、864年(貞観6年)6月中旬、富士山北西麓の一合目から二合目付近にかけて割れ目噴火が起こりました。数箇所から真っ赤な溶岩流があふれ出し、2か月以上に渡って扇状にひろがり、ふもとの湖にも流れ込みました。
富士山北西麓に広がる約3000ヘクタールの原生林「青木ヶ原樹海」は、貞観噴火で流出した溶岩流の上に、長い年月をかけて草木が芽吹き、樹林が形成されたものです。
宝永噴火とは、富士山の一番最近の、そして有史以来もっとも激しい噴火です。
1707年(宝永4年)12月16日、富士山南東山腹の五合目付近から轟音とともに黒い噴煙が渦を巻いて立ち上り、大噴火が始まりました。
この二つの噴火は、今後、発生するであろうと思われる富士山噴火の参考になるのではないかと思われます。
なぜなら、貞観噴火は、噴火の5年後に、東北地方(日本海溝付近の海底)を震源域とする、 マグニチュード(M)8.3 の貞観地震が発生しています。
また、宝永噴火ですが、宝永噴火の49日前に、震源域が東海から紀伊半島、四国沖にまでおよぶ、宝永東海・南海地震(マグニチュード(M)8.7)が発生しています。
やはり、この事実をみると地震の発生と火山の噴火は、密接な関係があると思われます。
富士山噴火は、予測できる?
火山噴火の予測については、爆発危険が近づいてきたことを知ることはできても、「何月何日に噴火する」という、ピンポイントの予測はできません。
では、どのようにして、噴火の爆発危険を判断していくのでしょうか?
富士山が噴火する前には、必ず前兆現象があります。
富士山は、約20㎞下に、「マグマだまり」という、マグマが溜まっているところがあります。
この「マグマだまり」のマグマが活動を始めると、「マグマだまり」の上部で、「低周波地震」という、ゆったりとした動きの地震が起きます。(人体には感じません。)
そして、マグマが上昇してくると、今度は「有感地震(高周波地震)」が起きます。
さらに、マグマが上昇してくると。「火山性微動」という細かい揺れが起こります。
そして、噴火スタンバイの状態となります。
気象庁は、これらのデータに基づき、噴火の警戒レベルを決定していきます。
24時間、365日、気象庁は監視をおこなっていますが、自然の法則を読み取ることは、なかなか難しいと思われます。
富士山が噴火したときの影響は?
富士山が噴火した場合、いろいろな影響が考えられますが、その中でも、特に影響が大きいのが火山灰です。
火山灰とは、どんな“灰“なのでしょうか?
火山灰といいますが、実は、“灰”ではなくて、“小さなガラス片”なのです。
軽石などが細かく砕かれて、微細粒になったガラスの欠片が“火山灰”なのです。
大きなもので砂粒程度、小さなもので小麦粉のように細かいガラスの欠片なのです。
この細かな“火山灰”は、空気中に舞い上がり、雨が降ればセメントや漆喰のように硬化してしまい、健康や生活環境に様々な害を及ぼします。
ではつぎに、どのような影響があるのか、列挙してみたいと思います。
過去の富士山噴火(宝永噴火)では、江戸に降った火山灰は、5㎝と推定されています。
過去の記録では、のどや目の痛み、鼻詰まり、せき込むなどの気管支炎的な炎症が発生したと記載されています。
火山灰が1㎝積もった場合、1㎡あたりの重さは、10㎏ほどになります。
もし、仮に雨が降ったとすると、倍の20㎏ほどとなります。
50㎝も屋根に積もったとすると、木造家屋の約半数が倒壊するとの被害予測が出ています。
電線などに火山灰が堆積すると、ショートがおこり、電力が供給されなくなります。
また、火山灰が、浄水場のろ過装置にダメージを与えた場合、水の供給が滞る恐れがあります。
火山灰によって上下水道が不能となり、トイレが使用できなくなる可能性もあります。
現代は、水道、電気、ガスなどすべてがコンピューターで制御されているため、コンピューターに火山灰が入ることにより、システム停止となることも考えられます。
電車の運行制御や信号機などは、すべてコンピューターで制御されているため、火山灰が機器に入ってしまえば、動作に不具合が発生し、交通機関がストップしてしまいます。
火山灰は、自動車、電車だけでなく、飛行機や船舶、ヘリコプター等にも悪影響を与えます。
エンジンに火山灰が入り込んだら、エンジンがストップしてしまうため、飛行機等は、運行停止となります。
火山灰が植物の葉に降り積もった場合、光合成ができなくなり、成長を止めてしまいます。
仮に、2㎝積もっただけで、畑の農産物は、ほとんど枯れてしまうそうです。
また、畜産の場合も、2㎝以上の降灰により、牧草が枯れてしまい、畜産の飼料に影響がでてしまいます。
ここに記載したことは、火山灰による悪影響等の一部です。
実際に富士山が噴火したら、思わぬ影響が発生するのではないでしょうか?
富士山噴火 何を準備したらいい?
地震や水災対策などで準備している防災グッズの他に、富士山噴火の場合は、次のものを準備しておくといいかと思います。
- 防塵ゴーグル
- 防塵マスク
- ヘルメット
- 防塵ポンチョ(長袖・長ズボンなどを準備して肌を出さないようにしてください。)
噴火の場合、何日噴火が続くかわかりません。
宝永噴火の場合、噴火が約2週間続きました。
一般的に、食料や水分などは、最低3日分準備をするように言われていますが、富士山噴火の場合は、宝永噴火の過去の例を見ると、通常より多めの、食料、飲料水等の準備が必要となる可能性があります。
余裕をもって、準備することをお勧めします。
まとめ
今回は、富士山噴火について、記事を書いてみました。
富士山噴火は予測できるのか?噴火したらどうなるの?影響は?
いろいろな角度で、富士山噴火をながめてきました。
いかがでしたか? まだまだ、伝えたいことはたくさんあります。
今回の記事だけでは、富士山噴火を伝えることはできません。
富士山噴火の奥深いところを、また、別の記事にしてみたいと思います。
第二弾を楽しみにしていてください。
300年間も沈黙している富士山!
富士山は必ず噴火します。
その時、大切な命を守る行動を起こしてください。
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