こんにちは!防災アドバイザーの熱血じいさんです。
今回は、「【帰宅困難者になったら どうする?】自らで考えよう 対策と備えを」というテーマで記事を書いてみました。
もう、ずいぶん前になりますが、東日本大震災の時は、首都圏を中心に515万人の方が当日自宅に帰れない帰宅困難者となりました。
現在、首都直下地震や南海トラフ地震が発生するのではないかと、とても不安な情報が流れています。
ただ「怖い」と恐れているだけでなく、今、災害が発生したら、どうしたらいいのかということを積極的にあなたと一緒に考えていきたいと思います。
目次
帰宅困難者とは?
地震などの自然災害等により、交通機関が麻痺し、徒歩での帰宅が困難になった方を「帰宅困難者」といいます。
中央防災会議が発表する統計上の定義として、帰宅困難者を下記のように示しています。
- 帰宅までの距離が10㎞以内の人は全員「帰宅可能」とする
- 帰宅距離が10㎞~20㎞では、被災者個人の運動能力の差から、1㎞長くなるごとに「帰宅可能」ものが10%低減していくものとする
- 帰宅距離20㎞以上の人は全員「帰宅困難」とする
「帰宅困難者」が多数発生した災害は、「東日本大震災」、「2011年の台風15号」、「2014年の大雪」、「2018年の大阪府北部地震」、「2021年の千葉県北西部地震」などがあります。
帰宅困難者対策【東日本大震災からの教え】
3.11の東日本大震災では、いろいろなこと教えてもらいまいした。
いろいろな教えの中から、今回は、「帰宅困難者」という問題を考えてみたいと思います。
今後、発生するかもしれない「首都直下地震」、「南海トラフ地震」において、同じような失敗をしないためにも、過去の教訓を見てみたいと思います。
東日本大震災が発生して首都圏の交通機関が麻痺し、大勢の帰宅困難者が発生しました。
帰宅困難者は歩道から溢れ、道路は大渋滞、二次災害が発生してもおかしくない状況です。
このような経験から、「大地震、大災害時は自宅に帰らない」という教訓が生まれました。
企業で働く社員などに対して無理して帰宅せず、3日間、会社に滞在することを推奨しています。
企業は滞在する社員のために、3日間生活できる飲料水や食料などを準備しなければなりません。
また、企業は会社の耐震化や社内のロッカー等の転倒防止などを実施する必要があります。
なぜ、3日間帰宅を制御するかというと、人命救助の72時間の壁(デットライン)というものがあります。
人命救助を行う上で、72時間を境にして、脱水や低体温症などにより、救助を必要とする人の生存率が急激に低下すると言われています。
そこで、大災害が発生した場合、72時間は救命救助活動を最優先にし、車・人による帰宅を制限し、救助活動がスムーズにできるよう、また、帰宅困難者による二次災害を防ぐことが、人の命を守るポイントとなります。
次に、東日本大震災の時の帰宅困難者の実態と今後の対応について、内閣府(防災担当)が実態調査を実施していますので、その一部を紹介します。(「帰宅困難者対策の実態調査結果について~3月11日の対応とその後の取組~」より)
<3月11日の帰宅実態>
調査対象者は、東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城南部に居住し、3月11日の地震発生時に自宅外にいた10歳代~60歳代の男女(5,372人)
- 自宅外にいた人で、地震発生時どこにいましたか?
- 会社。学校(57.2%)業務等で外出(42.8%)
- 地震発生後、家族等への安否確認をしましたか?また、その手段方法は、何をつかいましたか?(複数回答可)
- 安否確認をした人(3,167人 約59%)
手段方法
第1位 携帯電話(通話)(72.2%)
第2位 携帯電話(メール)(67.0%)
第3位 固定電話(通話)(23.1%)
第4位 公衆電話(通話)(6.7%)
第5位 パソコン(メール)(6.5%)
以下の順位は、次のとおり
携帯電話(災害用伝言サービス)
災害用伝言ダイヤル(171)
パソコン(その他)
災害用ブロードバンド伝言板web171
- 会社・学校等にいた人(3,072人)で、地震発生後(14時46分)、何時ごろ会社・学校等を出ましたか?
- 15時00分(3.2%)15時30分(10.2%)16時00分(6.5%)16時30分(8.4%)
17時00分(11.2%)17時30分(7.9%)18時00分(9.6%)
- 当日に帰宅できなかった割合は?
- 会社・学校 できなかった(1,037人 33.8%) できた(2,035人 66.2%)
外出 できなかった(490人 21.3%) できた(1,810人 78.7%)
全体 できなかった(1,527人 28.4%) できた(3,845人 71.6%)
- 帰宅中に必要と感じた情報・ものはなんですか?(複数回答可)
- 【情報】
第1位 家族の安否情報(56.2%)
第2位 地震に関する被害状況(44.5%)
第3位 鉄道・地下鉄の運転再開情報(40.3%)
以下の順位は次のとおり
トイレが使用できる場所(27.1%)
飲料水が入手できる場所(21.7%)
休憩可能な場所(19.7%)
食糧が入手できる場所(18.4%)
宿泊可能な場所(10.8%)
【もの】
第1位 携帯可能なテレビ・ラジオ等
第2位 携帯電話のバッテリーまたは充電器
第3位 歩きやすい靴
- 首都直下地震が起きた場合、最初のとる行動はなんですか?
- 第1位 家族の安否が確認できても、すぐに自宅に徒歩で帰宅しようと思う(29.2%)
第2位 家族の安否が確認できなければ、すぐに自宅に徒歩で帰宅しようと思う(20.7%)
第3位 家族の安否が確認できれば、会社や学校に公共交通機関で帰宅できるようになるまで 留まるようにする(12.5%)
第4位 家族の安否が確認できれば、翌朝まで会社や学校に留まったうえで徒歩で帰宅すると思う(10.8%)
以下の回答は10%以下の少数の意見のため省略します。
上記の内容から、やはり家族の安否が心配となり、携帯電話を使って連絡を取っているのですね。
驚いたことに、もし、首都直下地震が起きた場合、帰宅しようと思う人が約50%いるのですね?
<市区町村の対応>
回答市区町村は、以下のとおりです。
東京(53区市町村)神奈川(30市町村)千葉(54市町村)埼玉(57市町村)茨城(22市町村) 計216区市町村
- 一斉徒歩帰宅の抑制の呼びかけはありましたか?
- 91.1%(144区市町村)が一斉の呼びかけは実施しませんと回答
- Q8 道路・駅前広場等の混雑状況の情報提供はありましたか?
- 84.8%(134区市町村)は情報提供を行わなかったと回答
- 帰宅困難者への一時滞在施設の開設は実施しましたか?
- 約94%の区市町村(149)が開設したと回答
- 帰宅困難者の受入先の情報提供は行いましたか?
- 約30%の区市町村(94)が行わなかったと回答
<企業の対応>
回答企業 739社
- 従業員への帰宅方針への提示をしましたか?
- すべての従業員に対して職場に留まるように呼びかけた(8%)
大部分の従業員に対して職場に留まるように呼びかけた(41%)
原則的に帰宅するように呼びかけた(36%)
- 首都直下地震の従業員への帰宅ルールについて
- すべての従業員に対して翌朝以降または交通機関の運行が回復するまで職場に待機させると回答した企業は、7%
帰宅希望者、短距離徒歩帰宅者以外の大部分の従業員は職場に待機させると回答した企業は、約62%
災害対応要員以外、又は、すべての従業員を早期退職させると回答して企業は、約14%
- 従業員対象の帰宅困難者対策への取り組みは、どのようなことをおこなっていますか?
- 従業員向けの食料・飲料水の備蓄(58% 431社)
従業員への「むやみに移動を開始しない」という基本原則の周知(18% 134社)
大地震が起きた時、なぜ、帰らないようにするのか?まだ、浸透していないようですね!
自分でできる帰宅困難者対策
では、自分でできる帰宅困難者対策は、どんなことがあるか?考えてみましょう。
「帰宅困難者対策【東日本大震災からの教え】」の内容を加味して、事前に準備しておく必要があるものについて考えてみましょう。
地震発生後に安否確認をしましたかという質問では、約6割の方が何らかの方法で家族に連絡を取っています。
その連絡手段としては、携帯電話(通話)が第1位でした。
しかし、東日本大震災発生後すぐに、携帯電話(通話)は、回線がつながらなくなりました。
なぜかと言いますと、地震発生後、東北地方にある基地局1万1千局のうち、4,900局が停波してしまいました。その主な原因は、長時間の停電によりバッテリーが枯渇してしまったためです。
また、太平洋側を走る光ファイバーなどの伝送路も断絶しました。
それにも関わらず、音声通話は通常の50~60倍に増加したため、このままの状態だと、ネットワークがダウンして、警察や消防の通信も落ちる可能性があったため、通信の規制をかけたそうです。
現在は、移動電源車や可搬型発電機などが東日本大震災より、2.7倍増加、予備バッテリー24時間化が図られた基地局が5.9倍増加するなど、いろいろな対応が図られています。
しかし、大地震が発生した場合、何が起こるかわかりません。
自分でもできる限りの対策をしておく必要があります。
まずは、自分が契約している携帯会社の災害用伝言板サービスを確認しておきましょう!
私の場合、携帯会社はauに契約しています。(ちなみにiPhoneです。)auでは、「au災害対策アプリ」をダウンロードすることにより、災害用伝言板が使えるようになります。
スマートフォンからは、全国どこからでも掲示板へ登録をおこなうことができます。
登録方法は、災害用伝言板を開き、登録ボタンを押下します。登録画面は、下の写真のような画面です。被害状況の定型文にチェックを入れ、その他にコメント入力(100文字)もできます。入力が終わったら、内容確認というボタンがありますので、ボタンを押すと、画面が変わり、内容確認画面になります。登録ボタンを押すことで登録が完了します。
また、登録されている内容を確認する場合は、伝言板に登録した人の電話番号(安否情報を確認したい人の電話番号)を入力し、検索ボタンを押すと該当する電話番号の登録内容が表示されます。
詳細は、各携帯会社の災害用伝言板の内容を確認してください。
各携帯会社は、下記よりクリックしてください。
auの災害用伝言板は、NTTが提供している災害時の「伝言ダイヤル(171)」・「伝言板(web171)」、「googleパーソンファインダー」と連携しているので、データの入力確認が可能で、たいへん便利です。
また、「j-anpi安否情報まとめ検索」というソフトは、災害用伝言板、伝言ダイヤル(171)・伝言板(web171)、googleパーソンファインダーで登録した内容を、電話番号又は氏名で検索可能です。
詳細は、以下の動画をご覧ください。
「伝言板(web171)」は災害発生時、被災地域の住居者がインターネットを経由し、「web171」にアクセスし、電話番号をキーとして、伝言を登録・確認できます。
「伝言ダイヤル(171)」の登録データは、「web171」で音声ファイルに変換され、確認することができます。
また、「web171」の登録データは、「伝言ダイヤル(171)」へ音声変換されます。
詳細は、以下の動画をご覧ください。
「googleパーソンファインダー」とは、災害が発生したとき、「安否を確認する機能」と「自分の安否を伝える機能」の2つの機能があります。名前や携帯番号で安否情報の検索・登録ができます。
詳細は、以下の動画をご覧ください。
「j-anpi安否情報まとめ検索」は、通信各社の災害伝言板のデータ、NHKや放送協会が収集した情報など10社を超える安否情報が検索可能です。
詳細は、以下の動画をご覧ください。
出社途中、退社途中、外出時に被災する場合もあります。
その時、できれば備えておきたい防災グッズがあります。
それは次のものです。
ペットボトル1本の飲料水を持っているだけで、被災した場所から自宅又は安全な場所までたどり着くことが容易になります。できれば、飴などを持っていると安心感があります。
災害時帰宅支援ステーションなどでトイレを借りることはできるかもしれません。
しかし、災害時何が起きるかわかりません。
トイレはどうしても我慢することができません。
是非、携帯トイレを備えておくことをお薦めします。
今は、持ち歩ける防災セットなどが販売されています。この中には、携帯トイレなど防災グッズが入っています。A4判くらいのコンパクトなものですので、カバンの中に入れておくと安心です。
災害が発生すると、携帯電話を使う頻度は高くなります。
安否情報を確認・登録したり、目的の場所までの道順を確認したり、災害の情報を収集したりなど、電源の消費が通常より急激に減少します。その時に、携帯の充電器を持っていると心に余裕ができます。
是非、こちらも常時しておくことをお薦めします。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「【帰宅困難者になったら どうする?】自らで考えよう 対策と備えを」というテーマで記事を書いてみました。
防災に対する備えは、それぞれの家庭で行っていますよね?
しかし、家に防災用品は準備しているけど、外出しているときの備えをしている方は、ほとんどいないと思います。
「そこまでする必要はないよ!」という方もいるかと思います。しかし、少しでも不安に思う方は、「持ち歩ける防災セット」などを持つことお薦めします。
チョットの備えが、大切な命を守ります。
自らの命は自らで守りましょう!
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防災アドバイザーの熱血じいさん より