こんにちは!防災アドバイザーの熱血じいさんです。
今回は、「【富士山噴火 いつ起こる】予想はできるのか 備え・対策はどうすればいい?」というテーマで記事を書いてみました。
2021年に富士山のハザードマップが改定されました。
新しく火口が見つかったために、今までのハザードマップより、溶岩流の到達範囲が広がりました。
最新の研究結果では、富士山が噴火して噴出される推定溶岩流は、13億立法メートルといわれています。(13億立法メートルとは、山手線の内側を溶岩流で埋めるとその高さが20メートルまでなる量です。)
また、溶岩流が海沿いの方に流れた場合は、東名高速道路、新東名高速道路、東海道新幹線(JR)を通過するため、東西の大動脈が分断され、日本はたいへんな事になってしまう可能性があります。
このような富士山噴火という大災害を、少しでも早く予測することはできないのでしょうか?
もし、予測できれば、事前の準備をすることで、被害を最小限に抑えることができるのではないでしょうか?
今回は、これらのことについて考えてみたいと思います。
では、富士山噴火の予測が可能か?について、まずは考えてみたいと思います。
目次
【富士山噴火 いつ起こる】予測はできるのか?
「20xx年12月xx日、富士山は噴火する!」というような予測は、今の科学では不可能です。
しかし、おおよその予測は富士山の様子を詳細に観察していれば可能です。
富士山が噴火する前には、いろいろな前兆現象を見ることができます。
噴火を予測するための、前兆現象の一つは地震です。
「高周波地震」、「低周波地震」、「火山性微動」の3つの現象である程度の予測が可能となります。
では、一つずつ説明していきたいと思います。
マグマの通る道を火道といいます。
富士山が噴火する場合、地下のマグマが地表に吹き出すため、この火道を上昇してきます。この時、発生する地震を「高周波地震」といいます。
マグマの通路である火道は、前回噴出したマグマが固まっているため、噴火が起きるときは、この火道に固まっている岩石を無理やり破壊して、マグマが上昇してきます。
この時に地震が発生します。
振動数が高い地震なので、人体にも感じる「有感地震」です。
この地震を富士山の周辺に張り巡らせた「地震計」によって測定します。この「地震計」は、人体に感じることができないような微弱な地震においても電気的に測定が可能です。
マグマが上昇していけば、地震の発生する場所が次第に浅くなり、噴火の時期を、ある程度、判断することができます。
「低周波地震」とは、富士山の地下、15キロメートル付近にある「マグマに由来する液体」がゆらゆらと揺れたために発生する地震のことと推測されています。
「マグマに由来する液体」とは、火道やマグマだまりの中にある水や二酸化炭素などの気体や液体が地下深くの高い圧力下で存在する液体のことです。
マグマの活動の初期には、「低周波地震」が「高周波地震」より先に発生します。
2000年の秋に富士山の地下で地震が頻発しました。富士山が噴火するのではと大騒ぎになったときがありますが、この地震は「低周波地震」でした。
「火山性微動」とは、人には感じられないほどの小さな地震で、火道の中で、マグマや火山ガスが上昇するときに起こると考えられています。
火山の下で、地下水やガスが振動することで地震が発生します。
「火山性微動」が頻繁に発生すると、数日から数時間後に噴火することが多いからです。
すなわち、「噴火のスタンバイ状態」となったと考えられます。
「火山性地震」とは、「低周波地震」、「有感地震」、「火山性微動」のことをいいます。
この「火山性地震」はマグマがどこまで上がってきたかを判断することができます。
はじめに、液体がゆっくり振動する「低周波地震」が発生し、マグマがその後上昇すると、火道の途中をガタガタと揺れる、「有感地震(高周波地震)」が発生します。
更にマグマが上に行くと、「火山性微動」が起こり、噴火間近となります。
これらの変化を好感度の地震計を使うことによって、マグマが火口近くまで上昇してきたことを判断することができます。
火山性地震の他に、富士山の山体の変化などから、噴火を予測することがある程度可能です。
富士山が噴火する場合、マグマが地上に上がってくると山体が膨張します。また、マグマが下へ戻るときは、山体が収縮します。
このような膨張や収縮を地殻変動といい、その変化を傾斜計という機器を使い富士山の噴火を予測します。
この傾斜計は、1万メートルの棒の片方が1ミリメートル持ち上がったくらいのほんの僅かな変化をとらえることができます。
地殻変動を調べる手段として、傾斜計の他に、全球測位衛星システム(GNSS)というのがあります。
複数の衛星からの電波を受け取るアンテナを地上に設置し、自分の位置を正確に把握するシステムのことです。(GPSと原理は同じです。)
最新のGNSSは、二つの地点の距離を水平方向で1センチメートル、垂直方向で数センチメートルの精度で測定が可能となっています。
マグマに含まれる火山ガスの成分の変化によっても、噴火の予測が可能です。
火山ガスの95%以上が水蒸気です。その他の成分としては、二酸化炭素、二酸化硫黄、硫化水素、塩化水素などです。
噴火が近づくと、二酸化硫黄の割合が増えて、噴気の色が白色から青みがかった色に変化する場合があります。
富士山の溶岩の噴出率は、1000年間に約1立方キロメートルと考えられています。(噴出率とは、時間あたりのマグマの出具合のことをいいます。)
宝永噴火以来、富士山は噴火していません。約300年間噴出していないので、先ほどの噴出率をもとに、富士山がマグマをどれだけ蓄えているかを計算してみると、約0.3立方キロメートルとなります。
容量がわかりやすいように、たとえば、東京ドームの容量は約0.00125立方キロメートルです。
増えたマグマの量が0.3立法キロメートルというと、東京ドーム800杯分が宝永噴火以来増加したマグマの量(溜まっているマグマ)です。
【富士山噴火 いつ起こる】備えや対策は?
もし、富士山が噴火したら、何を備えていればいいのでしょうか?どのような対策をほどこしたらいいのでしょうか?
次にその点について考えてみましょう。
富士山噴火で特に注意しなければならないのが、溶岩と火山灰です。
溶岩や火山灰などがどこまで流れてくるかなどについて、事前に理解しておくことが自らの命を守るために対策です。
そのために必要なのが、「ハザードマップ」です。
「ハザードマップ」とは、富士山が噴火した場合、溶岩や火山灰がどのくらい到達するのかを視覚的に描写したもののことをいいます。
ハザードマップには、「可能性マップ」と「ドリルマップ」があります。
「可能性マップ」とは、溶岩流の到達する可能性や火山灰の降灰する可能性のあるすべての場所を示したものです。
「ドリルマップ」とは、ある一点の場所で噴火した場合、どのように溶岩流などが流れるかを示したものです。
また、登山者などの観光客専用に、富士山が噴火した場合の避難パターンなどを記載しているマップやパンフレットも作られています。
富士山噴火で特に厄介なものは火山灰ではないでしょうか?
宝永噴火のように2週間も降灰が続いた場合、どのような備えが特に必要となるのでしょうか?
通常の防災グッズの他に、特に備えておかなければならないものは、防塵マスクと防護メガネ(ゴーグル)です。
そして、長期間に災害(火山灰)の影響が及ぶと思われますので、特に食料や飲料水などは多めに準備していくことがおすすめです。(消耗品などの防災グッズは多めに準備しておくと安心だと思います。)
いろいろなサイトで富士山噴火の情報を詳しく説明しています。
特に、次の5つのサイトは是非一度訪れてみると参考になると思います。
このアドレス(火山対策 : 防災情報のページ – 内閣府 (bousai.go.jp))をクリックすると、内閣府の防災情報のページ(火山対策)が表示されます。
このページの下の方に移動すると、「富士山の火山防災対策」があります。
「富士山の火山防災対策」のページを表示すると、山梨県、静岡県、神奈川県の防災対策協議会の内容が表示でき、各県の対応方策を見ることができます。
また、各県のハザードマップを閲覧することができますので参考にしてください。
このアドレス(気象庁|噴火警報・噴火速報 (jma.go.jp))をクリックすると、気象庁の「噴火警報・噴火速報」のページが表示されます。
このページは火山の状態が視認できます。
該当する火山をクリックすると、その火山の詳細ページが表示されます。
富士山だけでなく、いろいろな火山の状態をみることができます。
2007年11月1日独立行政法人防災科学技術研究所より、火山噴火で発生する火山灰 への対応を解説したパンフレット「火山灰の健康影響-地域住民のためのしおり-」(火山灰の健康影響 (bosai.go.jp))と「降 灰への備え-事前の準備、事後の対応-」(降灰への備え (bosai.go.jp))を刊行しています。
とても参考になるパンフレットなので一読してください。
そのほかにも、防災に関する情報が盛りだくさんです。
防災科学技術研究所のアドレスは下記のとおりです。
こちらのサイトは、富士山噴火のみならず、富士山の歴史、富士山の魅力など多角的に扱っているサイトです。
山梨県富士山研究所のアドレスは下記のとおりです。
ホームページ(防災総合センター – Shizuoka University Center for Integrated Research and Education of Natural Hazards All Rights Reserved.)から防災研究をクリック、防災関連アーカイブをクリック、「活火山富士山がわかる本」(活火山富士山がわかる本 – 防災総合センター (shizuoka.ac.jp))をクリックすると、富士山のいろいろな情報を理解できるページが表示されます。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「【富士山噴火 いつ起こる】予想はできるのか 備え・対策はどうすればいい?」というテーマで記事をかいてみました?
第一回目に「【次に起こる富士山噴火はいつ?】富士山の誕生と過去の歴史を理解しよう!」、
第二回目に「【必ずくる富士山噴火!】どうなる 火山灰はどこまで 被害の影響は?」、
そして今回「【富士山噴火 いつ起こる】予想はできるのか 備え・対策はどうすればいい?」という記事を書いてみました。
世界を代表する美しい富士山!今の美しい状態でいてほしいと、富士山を理解すればするほど、強く思うようになりました。
しかし、富士山は必ず噴火するでしょう?
そのためにも、富士山を理解しましょう!
「大切な命を守る」ために!
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