防災アドバイザーの熱血じいさんです。
今回は、「水害 過去の歴史から私たちにできることを考えよう!」という内容で、水害が発生する前に、なにが必要なのか?について考えてみたいと思います。
近年、発生した台風や豪雨を参考に、この点について考えてみたいと思います。
目次
水害とは
水害とは、大雨や台風などの多量の降雨によって引き起こされる災害のことを言います。
近年、台風や大雨などが依然より、多く発生し、被害が拡大しているように感じませんか?
まず初めに、近年の台風・豪雨で特徴のあるものの概要や台風の発生のしくみについて見てみたいと思います。
<平成27年9月関東・東北豪雨>
平成27年9月7日に、台風18号が発生し、その翌々日にその台風は愛知県に上陸して、温帯低気圧となりました。
この時、太平洋上には、台風27号が存在していました。
その台風27号からの風と台風18号が通過した後に流れ込んできた湿った風が、関東北部と東北南部で合流したため、線状降水帯を形成し、大量の雨を降らし、鬼怒川など85の河川が決壊・越水するという大災害を引き起こしました。
この災害は、「線状降水帯」と「バックウォーター現象」が原因で発生したものです。
この災害の教訓は、雨が上流で多量に降れば、下流で川が氾濫する場合があるということです。
今回の豪雨は、被害のあった場所での降雨状況は、避難するほどの雨ではなかったと思われていました。
しかし、鬼怒川の上流で大量な雨が降り、鬼怒川が増水しました。
また、下流で合流する利根川の水位も高くなり、鬼怒川に逆流するバックウォーター現象が起こりました。
上からの流れと下からの水流が合わさり、決壊したと推定されます。
<平成28年台風10号 岩泉豪雨>
この台風10号は、気象庁が統計を取り始めた1951年以来、初めて東北太平洋岸に上陸した台風です。
上陸した後は、東北地方を縦断し、猛烈な雨を降らせ、甚大な被害を発生させ、日本海に抜け、温帯低気圧になった台風です。
この台風で、高齢者グループホームの方(9名)が、犠牲になってしまいました。
このグループホームは、木造平屋建てで、建っていた場所は、河川敷でした。
また、同一敷地内には、介護老人福祉施設(鉄筋コンクリート3階建て)が建っていました。
この台風が、東北地方に向かっているということで、「避難準備情報」が発令されました。
「避難準備情報」は、高齢者が避難を開始する情報だったにもかかわらず、避難を実施しませんでした。(施設の責任者は、東北地方には上陸しないであろうと思っていたそうです。)
「避難準備情報」が発令されたときに、
同一敷地内の介護老人福祉施設に避難していれば?
グループホームを、なぜ、河川敷に建てたのか?
台風は天災ですが、今回の被害は、人災と言える部分があるのではないでしょうか?
悔いの残るものでした。
岩泉豪雨の爪痕を、時事通信社さんが動画にまとめてくれましたので、参考までにご覧ください。
<令和元年台風15号(房総半島台風)令和元年台風19号(東日本台風)>
台風15号は、接近してくる前から「非常に強い勢力だがコンパクト(小型)な台風」といわれていました。
大型の台風であれば、台風の中心が上陸する前から数百キロほど陸地にかかっているため、渦巻き全体が摩擦などにより、陸地に入ると急速に勢力が衰えます。
しかし、小型の台風であったために、摩擦の少ないところを通過し、勢力が弱らなかったといわれています。
この台風は、上陸時は960ヘクトパスカル、最大風速40m/秒で関東地方に上陸した台風としては、過去最強クラスでありました。
また、この台風で、東京電力の送電鉄塔が2基倒れ、大停電となりました。
電源の供給が長引いたため(復旧まで1~2週間)、熱中症で亡くなる人が多数発生しました。
また、台風19号は、台風15号の翌月の10月12日、大型で強い勢力を保ったまま、伊豆半島、関東地方を席巻し、13日未明に東北地方の沖合に抜けました。
この台風は、歴代3位のノロノロ台風であったため、広い地域に大雨を降らせ、洪水や土砂災害を引き起こし、死者。行方不明89名をだしました。
前月の台風15号が猛烈な風による被害が増大だったために、台風19号の時も、「強風への備え」が強調されました。
しかし、結果的には、大雨による河川の氾濫、洪水、土砂災害によるものでした。
直前の災害の被害が大きいと、その災害を念頭に模した対策に傾いてしまうという傾向があります。
「同じ災害はない」ということを肝に銘じて対策することが大切です。
以上、3つの最近の台風を紹介しました。
台風とは、熱帯の海上で発生する熱帯低気圧のうち、北西太平洋(赤道より北(地球儀に向かって上の方)で東経180度より西(だいたいフィジー諸島より西側(日本側…地球儀に向かって左側))、または南シナ海(太平洋西部(中国、台湾、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、タイ、カンボジア、ベトナムに囲まれた海域)にあって、低気圧内の最大風速が17.2m/秒以上に達したものを台風と呼びます。
台風は移動する際に、あたたかい海面を通ればエネルギーを供給され発達し、また陸地に接触したり、低い気温などの影響を受ければ、エネルギーを失い、「温帯低気圧」となり、その後消滅します。
前述した過去の台風の勢力が弱くならなくなった原因として、日本近海の海水温度が温かかったためです。
この要因は、「地球の温暖化」が影響していると言われています。
水害 私たちにできることは?
水害が発生する前に、事前にいろいろな準備しておくことが、水害から命を守る最大の方法だと思います。
事前準備には、いろいろなものがありますが、その中で、次の3つはぜひ実施してみてください。
現代は、災害情報を取得する場合、スマートフォンを有効に使わなければ損です。
スマートフォンの保有率は、9割弱で現在でも増加傾向です。
このスマートフォンに防災情報を取得できるサイトなどを登録しておくと、まさかの時に大変役に立つと思います。
私がお勧めするのは、気象庁のホームページと自分の住んでいる市役所などのホームページから防災情報を取得できるサイトを登録しておくことです。
例えば、気象庁のホームページでは、自分の街を登録することによって、さまざまの防災情報を取得することができます。(天気、地震、火山、津波などの情報が取得可能です。)
また、自分の住んでいる市役所のホームページでは、避難所に関する情報やハザードマップなどを取得でき、たいへん便利です。(避難所の混雑状況や安否情報などが活用できます。)
私の市では、防災無線をメールで送信してくれるサービスもあります。(防災避難情報・水道事故・防犯情報・光化学情報・行方不明検索保護情報などをメール送信してくれます。)
行政機関を有効に活用してください。
スマートフォンからの情報をもとに、避難の必要性、避難の方法等を決定するための、一つの道具として使用してください。
自分が必要と思う防災情報サイトを登録していれば、いざというときに大変助かると思いますので、ぜひ実行してください。
防災マップとは、もし、災害が発生した場合、自分の住んでいる建物(木造なのか?鉄筋建てなのか?)、場所(川のそばなのか?高台なのか?低地なのか?)、避難場所までの状況などを考慮して、自らの命を守るためのマップのことです。
防災マップを作成するときは、自分の住んでいる地域のハザードマップや実際に現地を確認しながら、作成することがベストです。
「マイ・タイムライン」とは、台風や大雨等の風水害 に対する事前の準備や行動をあらかじめ記録しておく予定表(避難計画)のことです。
家族構成や生活環境に合わせて、「いつ」「誰が」「何をするのか」をあらかじめ決めておくことで、災害の危険が迫ってきたときに落ち着いて避難行動をとることが期待できます。
マイ・タイムラインの作成方法については、各自治体で作成方法をホームページに掲載されています。
私の住んでいる自治体では、マイ・タイムラインのひな型が準備されていますので、それに沿って作成すれば簡単に作成できます。(YouTubeで作成方法が確認できます。)
ぜひ、作成してください。
最低限必要な「一次避難用グッズ」を準備してください。
「一次避難用グッズ」とは、災害が発生したとき、避難所等に避難し、最低限3日間ぐらい生活できるグッズのことです。
参考までに、「二次避難用グッズ」とは、3日目以降、避難生活で必要となる避難グッズのことです。
でも、何を準備したらいいのか?わからない方もいるかと思います。
その場合は、「防災士さんの意見を取り入れた避難グッズ」や「過去に災害を経験された方の意見をもとにして作った避難グッズ」などを準備することがベストです。
もしよろしければ、「一次避難グッズ」の記事を書いていますので、下記を参考にしてください。
「防災のプロが選ぶ「おすすめ避難グッズ3点」最低限準備しておこう!」
まとめ
今回は、「水害 過去の被害から私たちにできることを考えよう」という内容で記事を書いてみました。
近年、台風や豪雨等による被害が巨大化しているように思われます。
これは、地球の温暖化で海水が上昇し、台風等の力を増大させていることが要因ではないかと言われています。
災害から自らの命を守るためには、マイ・タイムラインを作成したり、防災グッズを準備したりすることは大切ですが、二酸化炭素の排出量を抑制するなどの地球を守る行動を実施することも大切だと思います。
積極的に、命を守る行動をおこしましょう!
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