防災アドバイザーの熱血爺さんです。
今回は、「【在宅避難のすすめ】判断の基準はなに?準備してほしい2つのグッズ」というテーマで記事を書いてみました。
以前、「避難所には行かない方がいい!ストレスで死亡する問題点あり」という記事で避難所の内容について書きました。
その中で「在宅避難」について少し触れているのですが、今回は、もう少し、この「在宅避難」について、深く内容を掘り下げていきたいと思います。
目次
在宅避難(自分の家に泊まる)避難所へ行く どっち?
台風や豪雨で避難指示が発令されたとき、巨大地震が発生したとき、あなたは、避難所に避難しますか?
避難指示が発令されたとき、まずは、避難所に避難することは必要かもしれませんね?
しかし、避難指示が発令されたからと言って、何も考えずに避難することは、どうかと思います。
その時の災害の状況、今後の災害の状況を考慮して、避難所へ行くか、または、自分の家に留まるか(在宅避難)?を自らで判断しなければなりません。
「避難所には行かない方がいい!ストレスで死亡する問題点あり」という記事の中で、避難所のデメリット(感染症の問題、トイレの問題、プライバシーの問題等)を書きました。
確かに、現在は避難所に行くことがベストとは言い切れません。
しかし、在宅避難を行う場合は、家庭(自宅)の防災力が高くないとあまりお勧めできません。
そこで、以下に在宅避難を行う上で、3つの判断基準のポイントについて説明したいと思います。
「在宅避難」をする上でのポイントは、「自分の住んでいる住宅が地震や台風・豪雨に耐えることができる」ということが必要です。
避難する自宅が台風や地震によって、倒壊する恐れがある場合は、避難所に避難するほうがベターです。
では、災害が発生した場合、自分の家が災害から耐えられるかどうかを判断するにはどうしたらいいのでしょうか?
住宅の強度を判断する目安とし、耐震基準と住宅性能表示制度が参考になるかと思います。
1950年に制定された建築基準法や建築基準法施工令などによって定められた、建築する建物が最低限満たすべき地震への耐性基準のことです。
耐震基準は3回の大きな改正が行われました。
<旧耐震基準>…1981年以前に建てられた住宅に適用
「震度5強程度の揺れでも建物が倒壊せず、破損したとしても補修することで、生活が可能な構造基準」のことです。
<新耐震基準>…1981年から1999年に建てられた住宅に適用
「震度5強程度の中規模地震では、軽微な損傷、震度6強から7に達する程度の大規模な地震でも倒壊は免れる」という基準のことです。
<改正新耐震基準>…2000年の改正で木造住宅に関するもの
木造住宅の耐震性についての大幅な改正(「基礎形状」や「建物の構造をつなぐ部分の強化」)
がありました。
このことからいえることは、新耐震基準以降に建てられた住宅については、「在宅避難」をする上で強度が満たされていると言えると思います。
マンションや一戸建ての建物の品質について第三者である専門家(住宅性能評価機関)が一定の基準に沿って評価する制度のことです。
しかし、この制度は任意のため、この制度を活用していない物件も多数あります。
この制度を活用している建物の場合、評価項目の中で「構造の安定に関すること」というものがあります。
地震に対する構造躯体の倒壊、崩壊のしにくさのことです。
3段階のレベルがあり、レベルが大きいほど耐震性があります。
レベル3
極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施工令第88条第3項に定めるもの)の1.5倍の力に対して倒壊、崩壊等しない程度
レベル 2
極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施工令第88条第3項に定めるもの)の1.25倍の力に対して倒壊、崩壊等しない程度
レベル 1
極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施工令第88条第3項に定めるもの)に対して倒壊、崩壊等しない程度
地震に対する構造躯体の損傷(大規模な修復工事を要する程度の著しい損傷)の生じにくさのことです。
3段階のレベルがあり、レベルが大きいほど耐震性があります。
レベル 3
極めて稀に(数十年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施工令第88条第2項に定めるもの)の1.5倍の力に対して損傷を生じない程度
レベル 2
極めて稀に(数十年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施工令第88条第2項に定めるもの)の1.25倍の力に対して損傷を生じない程度
レベル 1
極めて稀に(数十年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施工令第88条第2項に定めるもの)に対して損傷を生じない程度
暴風に対する構造躯体の倒壊、崩壊等のしにくさ及び構造躯体の損傷(大規模な修復工事を要する程度の著しい損傷)の生じにくさ のことです。
2段階のレベルがあり、レベルが大きいほど耐震性があります。
レベル 2
極めて稀に(500年に一度程度)発生する暴風による力(建築基準法施工令第87条に定めるものの1.6倍)の1.2倍の力に対して倒壊、損傷をせず、稀に(50年に一度程度)発生する暴風による力(同条に定めるもの)の1.2倍の力に対して損傷を生じない程度
レベル 1
極めて稀に(500年に一度程度)発生する暴風による力(建築基準法施工令第87条に定めるものの1.6倍)に対して倒壊、損傷をせず、稀に(50年に一度程度)発生する暴風による力(同条に定めるもの)に対して損傷を生じない程度
このような、耐震、耐風評価を受けていれば、建物に対する強度が証明され、「在宅避難」をする場合の判断になると思います。
地震や台風(豪雨)などが起こる前に、自宅の強度を理解していれば、いざというときに、在宅避難をするのか?避難所に避難するのか?という判断ができるかと思います。
建物本体の安全性(強度)が確保できれば、次に大切な判断のポイントは、避難場所(自宅)の生活環境の安全性を保つことです。
本震、余震があります。
在宅避難を実施しているときでも、数回の地震が発生する恐れがあります。
大地震で恐ろしいのは、地震の揺れに伴って、家具等が凶器となることです。
阪神淡路大震災の経験者の方ですが、「テレビやタンスが自分めがけて飛んできた」というお話をしていました。
このようなことが起こらないように、家具等の転倒防止を災害が発生する前に実施してください。
家具を止めるのは、L字金具で止めることがベストだと思いますが、壁や床にビスを取り付けるのが嫌な方がいます。
この場合は、突っ張り棒+ストッパー(家具の下にストッパーを入れる)で耐震措置を図ります。
これは、L字金具と同じ位な強度があります。(震度6強の揺れでも倒れない実験結果が出ています。)
その他にも、以下のような耐震措置を実施してください。
- 家具の上に載っている、電子レンジやテレビなども粘着シートなどを活用
- 食器棚などは、扉が開かないように、開き戸ストッパーなどを活用
- 食器棚の中身が全面ガラスを飛び出してこないように、ガラス飛散防止フィルムを貼る
- 椅子やテーブルの足にも滑り止めのラバーを履かせましょう
- キャスター付きの家具などは、キャスター下皿(ゴム製)を履かせましょう
3つ目の判断のポイントは、長期間の避難生活が対応可能であることです。
2019年9月に千葉県を襲った台風15号は、東京電力の鉄塔2基を倒し、千葉県の南半分で広域停電被害が起きて、多くの地域で2週間以上の停電が起きました。
また、「首都直下地震の被害想定と対策について(最終報告)平成25年12月中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループ」によると、首都直下地震が起きた場合、東京電力の見解としては、1都3県の停電率は、1週間で5割、1か月でほぼ復旧させると記載されています。
また、内閣府の防災情報によると、ライフライン施設の復旧目標日数として、「電力 6日」「上水道 30日」「ガス 55日」「通信 14日」となっています。
大災害が発生した場合、ライフラインが復旧するまでには、1週間以上の期間を見込まなければならないのではないでしょうか?
すなわち、1週間以上、家の中で生活できる、水、食料、携帯トイレなど防災グッズの準備をしておく必要があります。
在宅避難を行う上で準備してほしいグッズ
前述したとおり、災害が長期化することを考えると、7日間以上の準備をする必要があります。
その中で私が思う、ぜひとも準備しておいてほしいグッズは、次の2つです。
それは、簡易トイレとガスカセットコンロです。
この2つのグッズを含めて、「在宅避難」で必要な防災グッズについては、別の記事でご説明したいと思いますので、楽しみにしておいてください。
在宅避難のすすめ まとめ
今回は、「【在宅避難のすすめ】判断の基準はなに?準備してほしい2つのグッズ」という記事を書いてみました。
いかかでしたか?
現在は、感染症という、新たな災害が発生しました。
避難所に行くと、感染症の他にも、通常の生活とは、まるで異なる環境下で生活しなければなりません。
もし、在宅避難が可能ならば、在宅避難で復旧までの期間を過ごした方が、精神面での負担がありません。
そのためには、事前の準備を忘れずに行いましょう!
今から、自らの命を守る積極的な行動を起こしましょう。
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