こんにちは!防災アドバイザーの熱血じいさんです。
今回は、「【線状降水帯とは? なぜ起こる】豪雨災害から身を守る方法を考えてみよう」について記事を書きました。
日本は、6月頃から、梅雨、台風など雨が降る時期となります。
雨は、いろいろな意味で恵を運んできてくれますよね。
しかし、このごろは、雨というと集中豪雨で、いろいろな場所で災害が発生するという、嫌なニュースが多く見受けられると思いませんか?
その中でも、よくニュースなどで出てくる言葉が「線状降水帯」という言葉です。
今回は、この「線状降水帯」について、より深く理解し、水害への対応などについて考えていきたいと思います。
目次
線状降水帯とは
線状降水帯とは、次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって数時間にわたって、ほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50~300㎞程度、幅20~50㎞程度の強い降水をともなう雨域をいいます。
気象庁より
積乱雲とは、強い上昇気流によって縦(鉛直)方向に著しく発達した雲のことです。よく夏に見る入道雲は積乱雲の一つです。積乱雲は、急な大雨、雷、ひょう、激しい突風(竜巻など)など現象があり、この現象は、30分~1時間程度で局地的な範囲に限られます。
積乱雲は、上空に冷たい空気があり、地上には温められた空気の層がある状態のときに発生しやすくなります。(地上付近の空気が湿っていると、さらに発生しやすくなります。)
この積乱雲が次から次へと発生し、帯状に連なっていくと「線状降水帯」が生成されます。
では、なぜこのようのことが起こるのでしょうか?
気象庁気象研究所予報研究部主任研究官の加藤輝之先生の「線状降水帯と集中豪雨について」の中で、日本でみられる線状降水帯の形成過程は、ほぼ2つの形がみられるそうです。
一つは、「破線型(broken line type)」、もう一つは「バックビルディング型(back building type)」というものです。
「破線型(broken line type)」とは、局地全線状に暖湿流が流入することで、個々の積乱雲(降水セル)が同時に発生する現象です。
もう一つの「バックビルディング型(back building type)」とは、降水セル(積乱雲)から見て、環境の上流方向に新しいセルが次々と発生し、それが成長するとともに移動して線状になる現象です。
日本で発生する線状降水帯は、ほとんどが「バックビルディング型」と言われています。
たいへんわかりやすい、「バックビルディング型」の線状降水帯のメカニズムの図がありましたので添付します。
線状降水帯が発生しやすい場所はどこ?
気象庁が1995年~2009年の間の集中豪雨を解析したところ、261事例のうち168事例が線状の降水帯が確認されたそうです。(台風によるものを除く)
この261事例及び168事例を地域別(北日本、東日本、西日本、南日本の4地域に分割)に振り分けると下表のとおりです。
集中豪雨のうち線状降水帯の数 | 集中豪雨の数 | 線状降水帯の発生割合 | |
北日本 | 25 | 57 | 43.9% |
東日本 | 38 | 76 | 50.0% |
西日本 | 45 | 61 | 73.8% |
南日本 | 60 | 67 | 89.6% |
合計 | 168 | 261 | 64.4% |
上の表をみると、明らかに南に行くほど、線状降水帯が発生しやすくなっています。
全体的に見ても、集中豪雨の半分以上は、線状降水帯であると言えます。
また、東日本と南日本を比べてみると、南日本では、6月、7月に線状降水帯が多く発生し、東日本は、9月に多く発生しています。これは、南日本は、梅雨前線の影響で、東日本は台風の影響が関係していると考えられています。
線状降水帯への対応
線状降水帯が発生したとき、どのように対応しますか?
近年、線状降水帯の発生場所を、ある程度、予測ができるようになりました。
しかし、予測されてからの、次の行動を決定するのは、あなたです。
その判断の助けとなるような内容を、下記にしめしたいと思います。
線状降水帯が発生すると、同じ場所に長時間、雨を降らすため甚大な被害となります。
そのため、できるだけ早期の段階で、線状降水帯の発生場所を予測できれば、被害の軽減を図ることができます。
気象庁は、2022年6月1日より、半日から6時間前までに線状降水帯が発生すると思われる場合、気象情報の中で伝える取り組みを開始しました。
しかし、今の段階では、精度は今一歩です。
発生場所は、日本を11か所に分けた地方単位で発表します。
的中率は4回に1回程度、3回は空振り、また、3回に2回は見逃しがあります。
予測が的中しないことときは、「線状降水帯ができなくてよかった!」と思えますが、「見逃し」はできれば、なくなるといいですね?
気象庁は、発生場所、精度の向上を図るために、下記の対策を行っています。
線状降水帯の予測をするうえで重要なポイントとなるのが、積乱雲を発生させる水蒸気の量を正確にはかることです。
陸に届くまえの水蒸気の量をはかるために、海上に観測船を出します。
気象庁の観測船、海上保安庁の船、付近を航行する民間のフェリーに機器を取り付け水蒸気を測定します。今年度中には16隻の観測船で対応する予定です。
水蒸気を測定する方法は、位置情報を取得するGPS衛星からの電波を海上の観測船で受信します。大気中に水蒸気があると、電波を受信するのに若干の遅れが発生するそうです。
時間にすると10億分の数秒の遅れだそうです。その遅れから水蒸気の量を測定するそうです。
すごいですね!
その他に水蒸気を測定する方法として、6月、7月に関しては、大学や研究機関の船4隻が東シナ海の向かい「ラジオゾンデ」という観測機器を気球に取り付け上空に飛ばし、湿度や風向きなどの観測を行います。
また、全国に設置してあるアメダス678か所に湿度計を設置します。現在は、150か所あまり設置済みです。
これらのデータをスーパーコンピューターに取り入れ、2024年には「県単位」で、2029年には「市区町村単位」で危険性を伝えられるよう、日々努力をしています。
<ハザードマップの確認>
お住いのハザードマップを確認し、集中豪雨が発生したときの、洪水の発生状況(想定最大規模)や土砂災害状況などを事前に確認しておきましょう。
お住いの場所の水害等の状況を確認するうえで、国土交通省の「重ねるハザードマップ」は、たいへん参考になります。是非、1回確認してください。
降雨規模が1000年に一回の規模を想定しています。1000年ごとに1回発生する周期的な降雨ではなく、1年の間に発生する確率が、1/1000(0.1%)以下の降雨のことです。毎年の発生確率は小さいですが、規模の大きい降雨です。
<避難をする上での注意点>
- 二人以上で必ず避難してください。
- 雨が降っているからといって、決して長靴で避難しないでください。履きなれているスニーカーなどで避難してください。
- 避難をする場合は、両手をできるだけ空けているように!そして、傘や杖のようなものを持って足元を確認しながら避難してください。
人が歩きづらくなる水深は下記のとおりです。
子供・老人 約20㎝
成人女性 約50㎝
成人男性 約70㎝
自宅の中にいて、外からの水圧で扉が開かなくなる水深は下記のとおりです。(扉は幅80㎝の一般的な扉とします。)
子供・老人 約30㎝
成人女性 約35㎝
成人男性 約40㎝
ちなみに、扉にかかる水圧は、水深30㎝で36㎏、水深50㎝で100㎏となります。
ハザードマップで危険個所等を確認し、防災気象情報と警戒レベルの情報により、避難の必要性を判断します。
必ずしも、避難所へ避難することが、ベストとは限りません。
マンションなどの強固な建物の上階にお住いの方が避難所まで避難する必要があるのでしょうか?
雨がかなり降っている状況で、子供や老人が避難所に避難することが安全なのでしょうか?
いろいろな、情報を入手して、その時に必要な避難方法を選択しなければなりません。
それを選択するのは、あなたです。
日頃から、「こうなった避難所に非難しよう」という、自分なりの避難基準を持つことが必要です。
自信を持って、自らで判断をしましょう。
そのためには、日ごろからの備えが必要となります。
詳しくは、下記サイトをご覧ください。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「【線状降水帯とは? なぜ起こる】豪雨災害から身を守る方法を考えてみよう」というテーマで記事を書いてみました。
6月以降、雨が強く降る日が増えたように感じませんか?
実際のところ、「集中豪雨」といわれる雨の回数は、1976年は、31.5回に比べ、2020年は67.7回と約2.2倍増えています。
主な要因としては、地球温暖化による海水温の上昇に伴う水蒸気量が増え、積乱雲が発生しやすくなっているためと言われています。
水害にあうことは、ないかもしれません?
しかし、1/1000の確立で集中豪雨にあった場合、日ごろの準備をしておくことにより、助かる可能性は格段とあがります。
大切な命を守るために!
いまからでも遅くありません!
災害への準備をおこないましょう!
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防災アドバイザーの熱血じいさん より